むし歯は放っておいても治りません
むし歯は、プラークのなかに潜むむし歯菌が口腔内の食べかすなどを養分として酸を出し、その酸によって歯が溶けてしまう病気です。初期のむし歯には自覚症状がない場合が多く、「痛い!」と思ったときにはすでにかなり進行していたというケースも少なくありません。
むし歯は風邪などのほかの病気とは異なり、放っておいても自然に治ることはありません。「痛い!」「しみる!」などの症状が出たら、なるべく早めに歯科医院で診てもらうことが重要です。
むし歯を放置するリスク
「(一時的に)痛みが治まったから……」と勝手に治ったと判断してむし歯を放置すると、次のようなリスクがあります。
- 再び痛み始め、その痛みが次第に激しくなります
- 簡単な治療で済まなくなります
- 神経に達したときなどは、治療時の痛みが増すおそれがあります
- 治療に要する費用がかさみます
- 通院する回数が増えるおそれがあります
- 口腔内の健康、および身体の他の部分の健康が失われるおそれがあります
知覚過敏の可能性もあります
冷たいものや甘いものを口にしたときに歯がしみたら、それは「知覚過敏」かもしれません。知覚過敏とは、歯の表面のエナメル質が薄くなり、刺激が神経に伝わりやすくなることで起こる症状のこと。同じ「しみる!」でも、むし歯菌によって引き起こされるむし歯とはまったく違う理由で起こるのです。
知覚過敏の原因として考えられるのは、歯ぎしり、食いしばり、噛みしめなどですが、強すぎるブラッシングや歯周病によって引き起こされることもあります。こうした原因を取り除くことが知覚過敏の改善にはもっとも効果的ですが、すぐに症状を抑えたい場合は歯の表面にコーティング剤を塗布します。
むし歯になりやすい乳歯をケアしてあげましょう
「乳歯はむし歯になりやすい」ということをご存知でしょうか?乳歯は永久歯に比べて表面を覆っているエナメル質やその下の象牙質が薄く、歯質も柔らかいので、むし歯菌が出す酸に溶けやすいという特徴があります。また、親御様の仕上げ磨きが雑になってしまうと、小さなお子様のお口はむし歯菌にとってとても居心地がよい環境になってしまいます。
お子様の大切な歯をむし歯から守るためには、歯科医院での予防対策が効果的です。定期的に乳歯の状態をチェックし、むし歯になりにくくするための処置を受けることで、むし歯になりにくい環境を作ることができます。
お子様を歯医者に連れていくタイミング
「子供をいつ歯医者に連れて行ったらいいかわからない……」という親御様は多くいらっしゃいますが、歯の健康のためにはむし歯になる前がもっとも効果的です。諏訪市、岡谷市、松本市、上伊那郡から通える「鈴木歯科医院」では、以下のタイミングで定期検診を受けていただくことをおすすめしています。
1 歯が生え始めたとき
生えはじめの乳歯は特に柔らかく、むし歯になりやすいので注意が必要です。これからのケアのことまでご説明しますので、お気軽にご相談ください。
2 離乳食を卒業し始めたとき
大人と同じものが食べられるようになると、食べかすが歯にたまりやすくなります。硬いものを食べられるようになったときも気を付けましょう。
3 永久歯に生え替わったとき
永久歯の奥歯、特に最初に生えてくる「6歳臼歯」と呼ばれる歯は溝が深く、むし歯になりやすい歯です。シーラントと呼ばれる処置で溝をふさげば、むし歯を予防できます。
当院では小さいお子様が退屈せずに受診できるよう広いキッズスペースを設けています。
おやつにも重要な役割があります
小さなお子様は大人と違って一度にたくさんの量を食べることができないので、おやつも大事なエネルギー補給源となります。とはいえ、歯の健康を守るためには気を付けなければならないポイントもあります。適度な量を考えて、時間や種類を工夫しながらおやつをあげてください。
- 甘いものばかり、柔らかいものばかりにならないようにしましょう
- 砂糖がなくても甘く感じるキシリトール入りのもの、ノンシュガーのものを選びましょう
- おやつの時間をきちんと決め、食事に影響が出ないようにしましょう
- 夕食の後や、寝る前のおやつはやめましょう
- 「おやつを食べた後に必ずお口のケアをする」という習慣をつけましょう
小児歯科処置方法
ブラッシング指導
お子様のお口の状況に合わせたブラッシング方法や歯ブラシの選び方、正しい仕上げ磨きのやり方などをアドバイスします。 |
フッ素塗布
フッ素には歯質を強化する働きがあり、塗布することでむし歯菌が出す酸に抵抗する歯を作れます。定期的に塗布することで、さらに効果が高まります。 |
床矯正
顎の発達が不十分だと、将来的に永久歯が並ぶスペースが十分確保できず、歯並びが悪くなる原因となります。顎が適切な大きさになるように、ゆっくりと広げて歯列を整える処置です。 |
ムーシールド
3~6歳ぐらいまでのお子様の受け口を矯正する装置です。数ヶ月から半年程度、寝ている間にお口にはめていただくだけなので簡単です。
歯を抜かずに歯並びを矯正した例
妊娠中のお母さんへ
妊娠中は、ホルモンバランスの変化やつわりでブラッシングがしにくくなるなどの理由から、口腔内が普段よりもむし歯や歯周病になりやすくなります。妊婦さんのお口の健康は胎児の健康にも影響を与えることがあるので、十分注意が必要です。
当院では、妊婦さんやおなかの赤ちゃんの健康に十分配慮した処置・治療を行っています。お腹が大きくても苦しくならないような治療に努め、麻酔や処方薬にも細心の注意を払っていますので、お気軽にご相談ください。